自由貿易はお互いの国の経済を発展させるというのは本当か?
20世紀以降の世界的な流れとして、全ての国の間で自由貿易を促進させて、経済をどんどん発展させようということが言われていました。WTOをはじめとして、様々な組織、国が提唱してきたことです。しかし、本当にそれが正しいことなのか、今一度検討しなければなりません。実際はどうなのでしょうか?
従来の主張
自由貿易を促進させればお互いの国が発展するという主張の根拠は、次のようなものです。自由貿易をするとお互いの国に価格の安い商品や品質の高い商品が入ってきます。すると国内の産業はそれに対抗するためによりよい商品を開発しようとするので、レベルが上がります。さらに、商品を国内で流通させるだけではなく輸出することができるということは、市場が拡大したということです。それまでの商品流通の限界値が上がることになるので、うまくすれば更なる利益を得ることができるのです。これらの理由により自由貿易をすると産業が発達し、お互いの経済が発展すると言われています。
実情
実際に自由貿易を推進しているような国の間での貿易を見てみると、それほどうまくいっていないようなところもあります。例えばアメリカとメキシコは自由貿易を行っているのですが、アメリカの農産物価格が安いのでメキシコのいくつかの農産業が破綻しました。するとアメリカにいくつかの農産物を頼ることになったのですが、食糧市場が不安定になった年にアメリカからの食糧輸入がストップし、餓死者まで出たということがありました。
他にも一方の国の産業は発展したものの、もう一方の国の産業が壊滅的なダメージを受けたという例はたくさんあります。つまりここで考えなくてはならないのは、元の産業の競争力に違いがありすぎると、自由貿易でバランスが崩れてしまうということです。とにかく障壁をなくして自由に貿易をすればいいというような安直な考え方は正しくないことがわかったのです。今後どうするのが良いのかが議論されることでしょう。